『アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-』感想

評価:Bランク★★★☆☆

 

幾重にも張り巡らされた伏線の回収が見事。こういうゲームはプレイしながら考察するのがすごい楽しいよね。そして答え合わせの時の「そうだったのか!」って鳥肌が立つような感覚がすごいちゅき。その点からもこのゲームは楽しかったなぁ。

以下ネタバレ。

 

 

周回でのサクヤ√だけ結ばれなかったから怪しいなぁとは思ってたけどやっぱり一枚噛んでたんだね。最後の周回からは夢中で読んでた。一番衝撃的だったのは町に文字の概念がないことが判明するシーンかな。それはわからんかった。ここでユネが美術回廊の音声案内をしていたことや、リンカが聖書を写してたことを思い出してめちゃくちゃ面白くなってきた。

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あとは答え合わせのシーン。現代アートへの批判や「クローザの失楽園」の話は聞いてみたら納得できる話ですごい!ってなってた。

f:id:yamicat:20181203193406j:plainこのゲーム、実際にある絵画やキリスト教の宗教観を取り入れているところがいいよね。おしゃれ。ユネとサクヤがエヴァとパンドラの役割になっているところとか、冒頭にあった金のリンゴの話を最後に持ってくるとことか好き。

f:id:yamicat:20181203210044j:plain最初は金のリンゴの話普通に忘れてたけど。冒頭の部分をもう一回読み直してみて、この梟の羽がユネがミネルヴァであることのアトリビュートだ!と気づいた。最初はあまり覚えてなかったからご都合主義感がぬぐえなかったけど、これはこれでありだと思う。この金のリンゴが「アメイジング・グレイス」であると解釈すれば、ユネの願いは叶ったことになるし。

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こういった実際にある絵画やキリスト教の要素をシナリオに組み込むのがおしゃれだし、作中でよくでてきた「美学」的でいいと思う。

 

あとは伏線回収だけじゃなく、ヒロインたちもかわいいところがよかった。エロゲらしくヒロインがえち。

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この寝間着姿でシュウに会いに来るのいかんでしょ。 とくにコトハがえちえちだった。お互いにヌードモデルになるところとか、シュウとの初えっちはコトハから襲うところとか。ほっほ……wえっちだ……wっつってた。

それでも一番好きなのはユネちゃ!アフターではユネちゃのかわいいところがたくさん見られて満足。

f:id:yamicat:20181203212148j:plainこの笑顔よ。そして赤ちゃんの作り方すらよくわからなかったユネちゃがどんどんえちえちになっていくのちゅき。

 

ただ、読み飛ばしちゃっただけなのかもしれないけどモヤモヤする部分がいくつかあった。

・キリエの破壊の美学に対する演技について。コトハたちが1年生の時に学園長と面談することでリンカが違和感を感じ、コトハはそのために入学前から演技をするようキリエに頼んだ。でもその面談ってキリエやユネも受けてなかったっけ。面談がキリエたちが中学の時にあったならわかるけど、もし学園で受けてたなら時間軸が合わないなぁって。キリエたちがいつ受けたか覚えてないや。

・ユネたちの親は不審に思わなかったのかな。生まれてすぐに離れ離れになって、それからずっと会えないって相当だぞ。グランツアーの概要が公開されてて、それを理解したうえで了承したのかな。ドイツでは政府に解体されたから、今回のグランツアーはばれないようにしていたと思うんだけど。仮にばれないようにしていたとしても、いくら北海道の田舎とはいえあんなに巨大な水晶の壁で囲ってたらすぐばれそう。これも公開していたかどうか覚えてない。

・ユネがシュウだけじゃなくサクヤもループさせられたのはなぜ?青と赤のリンゴはセットなのに別の青リンゴを食べたサクヤはなぜループされたんだろう。サクヤはシュウの相棒がユネだって知らなかったし、意図的に弓に乗っかるってことはなさそうだけど。青リンゴを食べた人を無条件でループさせるとしたらリラもループしてた?それだと後に赤リンゴ食べた人の負担がどんどん大きくなって赤リンゴの人かわいそう。でもユネが言っていた「重い」は命を削っているからってことがわかったし、負担はシュウの分だけだったんだろうか。あんまり覚えてない。

ここらへんが読んでてずっとモヤモヤしてた。たぶんやみちゃが覚えてないだけなので覚えてる人教えてください。

 

  • 総評

芸術とキリスト教の世界観やキャラの可愛さ、伏線回収の良さが光るいい作品だった。ただ伏線回収がすごすぎるあまりに「事実」に目を向けがちで、キャラたちの「心情」まで読み取ることができなかった。特にキーパーソンであるサクヤに感情移入できなかった。そういった感動が得られたらもっとよかったかなって思います。

 

 

 

 

 

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