『レイルロアの略奪者』感想
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はじめに
総評としては、魅力的なキャラクターがたくさんいて、プレイしていて楽しい作品でした。一方で物語はオルシュタット戦がピークでそこからは緩やかに落ちていったかなといった感じ。しかし終盤のレノに関する展開は結構好きです。以下ネタバレ。
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好きなキャラ
1. レノ
「身の丈ほどの大剣を使う」・「能力で体が大きくなるため普段からぶかぶかの服を着ている」・「能力を使うと性格がガラッと変わる」といった厨二心をくすぐる設定があまりにも好きすぎました。特に普段の感情のないような性格もかっこいいのに、略奪後の大暴れする姿もまた好きで、一人で二度美味しい(?)キャラでした。
そんなレノが自分のあり方について悩み葛藤する姿はよかったです。多くの人が生きていくうえで立ち向かっている選択に対して逃げてきた自分。これを克服し乗り越えていくのはまさしく成長する主人公でした。特に終盤で、略奪後の自分の性格もまた本来の自分であると気づくところがめちゃくちゃ好きです。
2. グレイ
このキャラ、性格はダメ男だし記憶を奪うという少しトリッキーな能力で、戦闘力もあまりなかったので最初は魅力を感じていませんでした。
しかし、物語が進むにつれて、照れ隠しでふざけるけれど本当はフィのために頑張れる男であることがわかってきて好きになることができました。特に”神憑”になったフィを助けるとき、「一緒に買い物をする約束をしたから」と言って助けに行く姿にはとてもシビれました。
加えて戦闘力もかなり高く、本気を出せば能力をつかうエルトライトを圧倒する程の強さを秘めていました。能力を使わないで能力者を圧倒する展開まじで好きなんですよね~。とってもかっこいいキャラでした。
3. フィ
フィちゃんがヒロインで一番好きです。めっちゃ可愛かった。特にグレイとの絡みがとてもよかったです。逃走劇の中でグレイを信じて飛び降りるところも好きだし、グレイがふざけてフィが怒るみたいな掛け合いも見ていて微笑ましかった。
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好きな展開
1. ”彷徨う神の掌”としてレイルロアに殴りこむ
これ、まじで激アツだった。レノやティルトが元々所属していた”対神特化警邏部隊”の敵とされるが、噂される存在にすぎなかった”彷徨う神の掌”。そしてレノやガーデンの面々が、反旗を翻してこの架空の存在であった”彷徨う神の掌”を名乗りレイルロアに乗り込むところがめちゃくちゃ好きです。
2. 多くのキャラが変化・成長する
この作品では、人々の変化・成長をテーマに挙げていたと思います。上述したレノの変化はもちろん、ティルトの正義に対する思い・オルシュタットの変化等々。特にオルシュタットが終盤助けに来てくれる展開好きです。「私の剣は折れたが俺の剣は折れてない」と言って、一度は失敗しても再び自分の正義を模索し貫こうとする姿はとても魅力的でした。あとクインとシアちゃんの関係が優しくなるのも地味に好きだったりする。
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気になった点
1. 「文章での」描写の薄さ
この作品、CGがめちゃくちゃ動きます。それ自体はより臨場感あってよかったのですが、この動きの都合上、セリフはあっても声のみで文章で表さないということがとても多かったです。声だけでも理解できるのですが、やはり文章がないとどこか寂しく感じてしまいました。
また戦闘描写も、地の文がほとんどなく動きや効果音で表現することが多く、わかりにくいことが多かったです。ラスボス戦とか特に。文章での描写がもっと多かったら、より分かりやすく戦闘にのめり込むことができたと思います。
2. 主人公間の絡みの少なさ
レノとグレイの二人の視点で物語を進める構成でしたが、この二人で協力なり共闘なりする展開も見てみたかったかなぁって思います。特に二人は子どもの頃出会っていたのだから、そうした過去の掘り下げも見てみたかったです。レノが選択を拒むようになった過程、グレイが生きていくために悪に手を染めるようになった過程、これらを克服した二人がどのように絡んでいくのか……等々。特に僕はこの二人が好きだったのでそう思います。
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おわりに
割と気になるところもありましたが、キャラがとても魅力的な作品でした。3rdEyeのW主人公という作風を貫く姿勢は結構好きなので、次回作が出ても応援したいです(イデアとこれしかやってないけど)。その前にソサジョもやらないと!