『アオナツライン』感想

『アオナツライン』クリアしました。発売前からとても楽しみにしていたのですが、期待以上に楽しむことができました。

 

まず、なんといっても「雰囲気」が素晴らしかったです。登場人物たちの青春を描く上で、夏・海沿いの町・昼休みのバスケ・夏祭りなどの様々な要素がより魅力的な青春を演出していると感じました。

BGMはピアノをベースとした優しいものが多く、これもまた夏の爽やかさや達観たちの青春を表現していました。どれも素晴らしいのですが、一番印象に残っているのは「裸足の季節」です。作中で聴く機会も多く、僕の中では「アオナツライン」といったらこれ!というBGMとなっています。

 

以下各ルート感想。

  • ことね

ことねがモデルになるという「夢」を追いかけることを、達観だけでなく海希たちみんなが支えてくれるのが好きです。最初は刺々しい態度をとっていたことねが最後にはみんなに感謝するようになって、本当に成長したなぁとしみじみ感じられました。

達観とことねの関係では、初めてのオーディションに緊張することねを達観が励ますシーンが好きです。

【達観】

「ことねがここで失敗したら……そうだな、雑誌の代わりに、俺がいっぱい写真を撮ってあげるよ」

【ことね】

「……えっ」

【達観】

「だからさ……心配すんなって」

「ことねの良さは……俺がいっぱい知ってるから」

【ことね】

「…………」

「ふふっ、何?それ……」

達観くん的には、これで私を励ましているのだろうけど……

どうにもしまらないのが、なんだか彼らしくて。

 達観の不器用な優しさにことねが愛しさを感じているのがグッときました。

 

  • 海希

これはもうあれですね。海希ルートというより達観・海希・千尋の三人のルートですね。それくらいこの三人の関係がよく描かれていました。

三人の話だけでなく、達観と海希が結ばれるまでに様々な人の協力があるところも好きです。海希のお父さんが達観と話をするシーンや、結が達観と海希が結ばれたことを千尋に報告するシーン。みんなの協力のおかげで達観と海希が結ばれるのがよかったです。

そして、このルートの根幹である三人の関係について。千尋の存在が本当に大きかったです。中学時代のエピソードで三人の関係がどのようにして作られたのかを知ったからこそ、達観と海希に結ばれてほしい一方で、三人で一緒に居たいという思いもある、という千尋の葛藤がより大きく感じられました。そして最後のシーンでしっかりけじめをつけるシーンは圧巻でした。この三人の関係があったからこそ、このルートが特別なものになっていると思います。

 

  •  結

ヒロインでは結が一番すきです。結は純粋で行動力があるんですよね。達観に憧れて転校したり、ことねがグループに入るきっかけを作ったりと、青春にむけて一生懸命行動する結がとても魅力的でした。

あとは終盤の電車の中のやりとりからラストまでが本当に最高でしたね。結が「恩返し」として達観にポケットティッシュを返すシーン、結が離れていってしまう夢を経てのあの坂道の抱擁、それにEDの「結び目」が流れる。僕の中での最大瞬間風速は間違いなくここにありました。

また「結び目」の歌詞が結の想いをよく現していて、本当に感無量ですよ。

 

重ねていく時間の中

ほつれだした糸と

弱くなる結び目

私の手とあなたの手で

結びなおして

 

あなたがくれる光が

何より優しくて すべて愛おしい

どんなに迷ったとしても変わらない思いで

同じラインを描いて

(「結び目」より)

 

「結び目」がアオナツラインの曲で一番好きですね。一番好きなヒロインに一番好きなシーン、そして一番好きな曲。最高でした。

 

海希ルートが全体的に好きなのですが、結ルートのこのシーンもめちゃくちゃ好きなんですよね。どちらも甲乙つけがたい素晴らしいものでした。

 

全体を通して、どのルートもキャラクターたちが悩み、そして成長していく青春が描かれていてよかったです。また、「結び目」だけ取り上げましたがどの曲も素晴らしく、それぞれアオナツラインをよく現していました。個人的に大満足な作品で、アオナツラインを信じてよかったなぁと思います。

 

 

 

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